尿量の異常
尿量の異常(多尿・乏尿)について
~「トイレの回数が増えた」「尿がほとんど出ない」~
日々の生活の中で、トイレに行く回数や尿の量に「いつもと違うな」と感じたことはありませんか? 尿は、腎臓が体の中の余分な水分や老廃物をろ過して作り出す、大切な排泄物です。 その量は、飲んだ水の量や気温、運動量などによって変わりますが、極端に多かったり少なかったりする場合は、腎臓や他の臓器の働きに異常がある可能性があります。
尿量の変化は、体の中で起きていることを知らせてくれる大切なサインです。
尿量の目安と異常の定義
健康な成人の1日の尿量は、だいたい800〜2,000mL程度とされています。 もちろん、飲水量や気温、運動量などによって変動しますが、以下のような状態が続く場合は注意が必要です。
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多尿(たにょう):1日の尿量が2,500mL以上
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乏尿(ぼうにょう):1日の尿量が400mL未満
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無尿(むにょう):1日の尿量が100mL未満
これらの状態が続く場合、腎臓の機能や体内の水分バランスに異常がある可能性があります。
多尿とは?
多尿は、尿の量が異常に多くなる状態です。トイレに行く回数が増えたり、夜中に何度も目が覚めてしまったりすることがあります。以下のような原因が考えられます:
■ 糖尿病
血糖値が高くなると、余分な糖を尿に排出しようとするため、尿量が増えます。口の渇きや頻尿、体重減少などを伴うことがあります。
■ 尿崩症(にょうほうしょう)
抗利尿ホルモンの分泌異常や腎臓の反応異常により、水分を再吸収できず、大量の尿が出る病気です。1日3〜10L以上の尿が出ることもあります。
■ 利尿剤の使用
高血圧や心不全の治療で使われる利尿剤によって、尿量が増えることがあります。
■ 慢性腎臓病の初期
腎臓の濃縮機能が低下すると、尿が薄くなり、量が増えることがあります。
■ 心因性多飲症
ストレスや精神的な要因で水分を過剰に摂取し、結果として尿量が増えることがあります。
乏尿・無尿とは?
乏尿は、尿の量が極端に少なくなる状態です。尿がほとんど出ない、トイレに行っても少量しか出ないなどの症状が見られます。以下のような原因が考えられます:
■ 急性腎障害(AKI)
腎臓の働きが急激に低下し、尿がほとんど作られなくなる状態です。脱水、薬剤、感染症、腎臓の血流障害などが原因になります。
■ 心不全や肝不全
血液の循環が悪くなることで、腎臓に十分な血液が届かず、尿が作られなくなります。
■ 尿路閉塞
尿管や膀胱、尿道に結石や腫瘍が詰まることで、尿が排出されなくなることがあります。急な腹痛や腰痛を伴うこともあります。
■ 脱水状態
発熱や下痢、嘔吐などで体内の水分が不足すると、腎臓は水分を節約しようとし、尿量が減少します。
検査
尿量の異常が見られた場合、当院では以下のような検査を行います:
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尿検査:尿の濃さ、糖、タンパク、赤血球、白血球などを確認します
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血液検査:腎機能(クレアチニン、eGFR)、電解質、血糖値、ホルモンなどを調べます
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超音波検査(エコー):腎臓や膀胱の状態、尿路の閉塞の有無を確認します
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水分摂取・排尿記録:1日の飲水量と尿量を記録し、バランスを評価します
必要に応じて、内分泌科や泌尿器科との連携も行い、原因に応じた治療を進めていきます。
尿量の異常があるときの生活のポイント
尿量の異常があるときは、体の水分バランスや腎臓への負担を考えた生活が大切です。
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水分の摂り方を見直す:多尿の場合は水分の摂りすぎに注意し、乏尿の場合は脱水にならないようこまめに補給を。
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塩分を控える:塩分の摂りすぎは腎臓に負担をかけ、むくみや血圧上昇につながります。
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体重・尿量・飲水量を記録する:毎日の変化を記録することで、病気の進行や改善の目安になります。
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薬の管理をしっかりと:利尿剤や血圧の薬などは、医師の指示に従って正しく服用しましょう。
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異常を感じたらすぐに相談を:尿が出ない、急に増えた、色やにおいが変わったなど、気になる変化があれば早めに受診を。
当院での対応
当院では、尿量の異常に対して、腎臓内科としての専門的な検査・診断・治療を行っています。 腎臓の働きだけでなく、心臓や内分泌系との関連も含めて、総合的に評価し、患者様一人ひとりに合った対応を心がけています。 必要に応じて、他科との連携や栄養指導も行い、安心して日常生活を送れるようサポートいたします。
ご相談はお気軽に
「最近、尿の量が気になる」「トイレの回数が増えた」「ほとんど尿が出ない」など、尿量の変化は体からの大切なサインです。 少しでも気になることがあれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。 あなたの腎臓の健康を、私たちがやさしく、しっかりと支えていきます。
