夜間頻尿
夜間頻尿について
~夜中に何度もトイレに起きてしまう方へ~
「夜中に何度も目が覚めてトイレに行く」「朝までぐっすり眠れない」 そんなお悩みを抱えていませんか?
夜間頻尿は、睡眠の質を下げるだけでなく、日中の疲労感や集中力の低下、転倒リスクの増加など、生活の質(QOL)に大きく影響する症状です。 特に高齢の方では、夜間の排尿による睡眠障害が、体力や免疫力の低下につながることもあります。
腎臓は、体の水分や塩分のバランスを整え、尿を作る働きをしています。夜間頻尿は、腎臓の機能だけでなく、心臓、膀胱、ホルモン、睡眠の質など、さまざまな要因が関係していることがあります。
夜間頻尿とは?
夜間頻尿とは、「夜間の睡眠中に排尿のために1回以上起きる状態」を指します。 特に、2回以上起きる場合は、日常生活に支障をきたすことが多くなります。
夜間頻尿は、単なる加齢現象と思われがちですが、実は体の中で起きているさまざまな変化や病気のサインであることもあります。
夜間頻尿の主な原因
■ 腎臓の濃縮機能の低下
腎臓は、夜間には尿を濃くして量を減らす働きがあります。 しかし、慢性腎臓病(CKD)などでこの機能が低下すると、夜間にも多くの尿が作られてしまい、頻繁にトイレに起きるようになります。
■ 抗利尿ホルモンの分泌低下
通常、夜間は「抗利尿ホルモン(バソプレシン)」が分泌され、尿の量を減らす働きをします。 加齢や睡眠障害などでこのホルモンの分泌が減ると、夜間に尿が多く作られるようになります。
■ 心不全・下肢のむくみ
日中に足にたまった水分が、夜間に横になることで血流に戻り、腎臓で尿として排出されるため、夜間に尿量が増えることがあります。
■ 糖尿病
血糖値が高いと、余分な糖を尿に排出しようとするため、尿量が増え、夜間にも頻繁にトイレに行くようになります。
■ 前立腺肥大症(男性)・過活動膀胱
膀胱の刺激や排尿障害によって、夜間に何度もトイレに行くようになります。 尿意を感じやすくなったり、膀胱に尿が少ししかたまっていないのに排尿したくなることがあります。
■ 睡眠障害・ストレス
眠りが浅くなることで、尿意を感じやすくなり、夜間頻尿につながることがあります。 不安や緊張、うつ症状などが背景にあることもあります。
■ 利尿剤の服用
高血圧や心不全の治療で使われる利尿剤の服用時間によっては、夜間に尿量が増えることがあります。 服用時間の調整で改善することもあります。
検査
夜間頻尿の原因を調べるために、当院では以下のような検査を行います:
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尿検査:糖、タンパク、赤血球、白血球などを確認し、腎臓や尿路の異常を調べます
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血液検査:腎機能(クレアチニン、eGFR)、血糖値、電解質、ホルモンなどを評価します
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超音波検査(腎・膀胱・前立腺):腎臓や膀胱の形状、残尿の有無、前立腺の状態を確認します
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排尿日誌の記録:日中と夜間の尿量、回数、水分摂取量などを記録していただき、排尿パターンを分析します
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心臓や睡眠の評価:必要に応じて、心不全や睡眠障害の有無を確認します
夜間頻尿があるときの生活のポイント
夜間頻尿の症状を和らげるためには、日常生活の中でできる工夫もあります。
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夕方以降の水分摂取を控えめに:寝る前の2〜3時間は、水分を摂りすぎないようにしましょう
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利尿剤の服用時間を見直す:医師と相談のうえ、服用時間を調整することで夜間の排尿を減らせることがあります
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カフェイン・アルコールを控える:利尿作用があるため、夕方以降は控えるのが望ましいです
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睡眠環境を整える:深い眠りを促すために、寝室の環境や生活リズムを見直しましょう
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排尿記録をつける:尿量や回数を記録することで、原因の特定や治療の効果判定に役立ちます
当院での対応
当院では、夜間頻尿の原因を丁寧に調べ、患者様の状態に合わせた検査・治療・生活指導を行っています。 腎臓内科として、腎機能の評価や慢性腎臓病の管理をはじめ、心臓や膀胱の状態も含めた総合的な診療を行っています。 患者様が安心して日常生活を送れるよう、やさしく、しっかりとサポートいたします。
ご相談はお気軽に
「夜中に何度もトイレに起きてしまう」「眠りが浅くて疲れが取れない」など、夜間頻尿は体からの大切なサインです。 少しでも気になることがあれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。 あなたの腎臓と体の健康を、私たちがやさしく、しっかりと支えていきます。
